『ヘブン』に新しい代表が決まった。
『青山トシゾウ』

これまでの代表の中でも最年少とされた。
無理もない話である。
この前の事件がきっかけで有力な議員のほとんどが『R』の手で殺されてしまった。
選ばれたのは『W』を排除するからだった。
総長が誰なのかも知らないのに戦おうとしていいのだろうか。




―――3日後
私は部下に『辻本シュウイチ』を監視するように指示したが結果が出なかった。
彼も尻尾を出すほど甘くはない。
そこで幹部を一度集めて集会をすることにした。
連絡をして明後日、行うものだ。

私は部下の何人かを連れて戦闘の訓練をした。
部下の五名と私一人で戦った。
訓練開始までは部下は余裕の表情をしていたが、終わってみると真っ青な顔をしていた。総長の存在が本物だと理解したのだろう。
この訓練は別に部下に私の力を見せるためではなく、『神山ミコト』との戦いをシミュレーションしたものだった。
だけども、終わってみて何の役にも立たなかった。

あれほどの『絶対的な力』を感じるものは見つからない。
あれは能力だけではない。
『神山ミコト』の意志の強さからだろう。
『伊藤が望む世界を変えることなんて僕にとってはどうでもいい』と言っていたが本当にそうなのだろうか。