桜の木の下でキミに告白された・・・

「あの・・・俺さぁ~、西のことが好、きなんだ・・・」

嬉しかった

この高校に入学してからずっと・・・好きで・・・好きで・・・

でも

私なんて地味だし・・・可愛くないし・・・成績だって中の下・・・

それに比べてキミは、結城君は・・・勉強もスポーツも何をやってもNo.1
それに爽やかだし・・・この高校で結城 翔太 を知らない人はいないってくらい人気者

そんな人が私を好きになるなんて・・・

ありえない

どうせ

どうせ・・・

「どうせ罰ゲームでしょ!?」

「え」
「あ」


・・・言っちゃったぁぁ!!


ざあぁぁぁっ

桜の木のさざめきが気まずい沈黙を掻き消してくれたけど・・・

「・・・・・」
「・・・・・」

気まずい空気はそのまま

「・・・ーッ、あっあのっ私・・・校舎に・・・戻るんで~・・・」

気まずい空気に耐えられなくなった私・・・
校舎に戻る

はず・・・

なのに・・・
「待てよ・・・」

ガシッと強い力で腕を掴まれて

真っ赤な顔で

真剣な瞳で

「罰ゲームじゃねぇ・・・冗談でもねぇ・・・本気で・・・

本気でアンタが・・・



西のことが好きなんだ・・・」

ざざあぁぁぁっ

桜が舞い散る中、私は「好き」の気持ちをこめて

キスをした


この時だけは

汚れた校舎の壁も

雑草だらけのグラウンドも

分厚い鼠色の雲がかかった空も

なにもかも

瞳に映る全ての物が



桜色に輝いて見えた