平田直哉、23歳。
新米の数学教師。

あたしの、担任の先生。



背が高くて、かっこよくて、先生のいい所を挙げたらキリがない。

授業はわかりやすく、話すと気さくで面白いから、生徒から人気もある。

高校時代は、バスケ部に所属していて、今はバスケ部の副顧問。



先生のクラスの生徒になってから、誰もが先生に憧れた。

あたしも、その一人。

だけどあたしの憧れの気持ちが、好きに変わるのなんて、すぐだった。



教壇に立つ先生、生徒と話す先生、バスケをしている先生。

どれもがかっこよくて、あたしの心はすぐに、先生一色になった。