「俺、誰からも愛された事なくて・・」










匠は涙をこらえるかのように

上を向いてポツリポツリと話し始めた。



「家族もいない、友達もいない。

 だから由希ちゃんが羨ましかった。」



匠は悲しい笑顔を向けた。



「この罪は許されねーと思ってるよ」

「匠・・・・」

「でもここで会うのが最後」

「え?」




声を出したのは由希だった。

匠はハハッと笑って



「俺、転校する」



と呟いた。