「あ、陸十君もう行かないと!」 「ホントだ。ごちそうになりました」 「いえいえ、いってらっしゃい」 「いってきまーす」 私と陸十君は家を出て 温かい空気が漂う道を手を繋いで歩いた。 ギュッと握るとギュウッと握り返してくれる。 そんな陸十君が大好きだ。 「好き」 静かに呟いたつもりだけど 聞こえたみたいで上からは 陸十君のクスッと言う笑い声が聞こえた。