中3のあたしは塾に通っていた。毎回夜遅くなる塾。家に帰りたくないあたしは、近くのレンタルビデオ屋に行った。帰ろうとした時「なあなあ」後ろから声がした。
ヤンキーみたいな男がバイクに乗っててその後ろに何人かの男。
「彼氏おる?」そう聞かれ「いません。さようなら」そう言ってチャリで帰ろうとした。少しこいだら後ろから「待って」さっきのバイク男の後ろにいた男だ。「さっきのやつがアド教えてだって」あたしは親に内緒でプリペイドの携帯を買っていた。するとバイクのブォーンとでっかい音とともにまたあの男…「教えてや、ってか付き合って」
え?あたしはビックリした。「いいですけど…」おそるおそる赤外線でアド交換した。「ってか名前なに?俺かずき」「あたしはりん」すると、かずきは他の男にあっちに行ってろと言い、二人っきりになった。時間は9時ぐらい。あたりは真っ暗だ。「なあ、ちゅーしよ?」あたしは唖然だった。はじめて会ってまだ10分ぐらいしかたってないのに…。「えっ…」
とまどっていると「なに?ナンパはじめて?」 「はい…」 この時はじめて自分はナンパされたのだと知った「つーか付き合ったらちゅーするのが普通だよ?」 そう言われどうしたらいいのか分からないあたしを助けるかのようにさっき呼び止めたともという男が「とりまあっち行くか」
ともとかずきとあたし以外の男は用があると言い帰って行った。
そして3人である河原に行った。 歩きながらかずきが「なあ、りんわいらどっちがかっこええ?」
あたしはまだ知り合って間もないし緊張してるし、何がなんだか分からなかった。「どっちもかっこいいよ」 「うそじゃ。りん、ともの事ばー見とる」かずきは怒っている様子だった。「ごめん。かずきがかっこいいよ」 その日はそれで帰った。家についたのは夜11時お母さんはこんなに遅く帰宅した事ないあたしを8時から探しまくっていたらしい。ごめんなさい…この日ちゃんと断っていたなら…人生初めての彼氏…
これでうち君の事忘れられる。