【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

唇が離れた頃には、私の頭の中はボーッとしていて、完全に思考力ゼロ。


ここが撮影現場だってことなんて、すっかり忘れてしまうぐらい。


「誰も来なくてよかったな!」


キスした後の翼は、スッキリ爽快な笑顔。


私は恥ずかしくって俯く。


「未来と……ホントにキスしないでね?」


「は?するかよ。何言ってんの?」


さっきまで爽やかだった翼の顏が一気に曇った。


「うん……わかってるけど、聞いてみた」


「ナナってホント、バカだよな~。余計な心配するなよ?アレは仕事だからやんの。何の感情もないから。

特にオレは、小さい頃からそーいう風に仕込まれてるし?キスシーンとか全然ヘーキ」


「そうなんだ……」


それはそれで、私とのキスはどうなんだろって思っちゃう。