【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

「あー……あんときはな」


「えっ。やっぱり嫌いって思った!?」


「違うって！あの向井ってヤツに、嫉妬した……」


「向井くん!?」


「アイツにコクられた？なんて返事したわけ？」


翼は私をジッと見つめてくる。


「ちゃんとコクられてはないよ……なんかいつも冗談ぽいっていうか」


「今もつきまとわれてんの？」


「うーん……。最近は、女の子の友達もできたし、近寄らないようにはしてるけど」


「ふーん……。ちょっとはイイって思った？」


「ううん。向井くん、ちょっと苦手なんだよね……ストレート過ぎて」


「オレもストレートじゃん」


「翼は、いいの！」


あ、いっちゃった。


けど、向井くんとは全然違うし。


こんなことで、嫉妬されたくない。


「ま。わかってたけどな、向井はナナのタイプじゃないって」


「うん……」


「でもなー。向井に一言、言ってやりたいけどな」