「翼はすごいね。テレビにしょっちゅう出てるし、CMだって」
「オレがすごいっつーか、事務所がでかいだけだから」
「えーっ、そんなことないよ!クラスの女子の半分以上は、翼のファンだよ!?」
全然嬉しくねーし。
「だったら……ナナは?」
オレがそう言ったら、電波が途切れたかと思うくらい、いきなり何も聞こえなくなった。
……そこで、黙んなよ。
テンション高いなら、そのまま笑って誤魔化すとかさ。
ナナの不器用さに、なんだか懐かしさを覚える。
オレに未練はないかもだけど、今みたいな質問を、簡単にスルーできる処世術は、まだ身に付けてねーんだな。
少しは変わっただろーけど、やっぱり中身はまだ、オレが知ってるナナのままだったら、嬉しーんだけど。
社交的で、明るくて誰とでも打ち解けられるナナもいいけど、
なんだか頼りなげで、思わず手を差しのべてやりたくなるよーなナナが、オレは好きだったから……。
「オレがすごいっつーか、事務所がでかいだけだから」
「えーっ、そんなことないよ!クラスの女子の半分以上は、翼のファンだよ!?」
全然嬉しくねーし。
「だったら……ナナは?」
オレがそう言ったら、電波が途切れたかと思うくらい、いきなり何も聞こえなくなった。
……そこで、黙んなよ。
テンション高いなら、そのまま笑って誤魔化すとかさ。
ナナの不器用さに、なんだか懐かしさを覚える。
オレに未練はないかもだけど、今みたいな質問を、簡単にスルーできる処世術は、まだ身に付けてねーんだな。
少しは変わっただろーけど、やっぱり中身はまだ、オレが知ってるナナのままだったら、嬉しーんだけど。
社交的で、明るくて誰とでも打ち解けられるナナもいいけど、
なんだか頼りなげで、思わず手を差しのべてやりたくなるよーなナナが、オレは好きだったから……。


