……いたっ!
帽子をかぶった男の子は、今もまだうつむいたまま、ベンチに浅く腰をかけていた。
目の前まで走って、立ち止まった。
「翼っ!?」
思いきって、勢いよく帽子を剥いだ。
すると……
そこにいたのは。
「……え」
私を見上げ、挙動不審に目をパチクリしてる男の子。
違う……、違った。
こんなとこに、翼がいるわけない。
なのに、私は何を期待してたの?
「うっ……」
「……うわ、なんで泣いてんの!?」
「ごめんなさい……人、間違いしました」
慌てる男の子を残して、ホームにあるトイレへと駆け込んだ。
私……何やってるんだろう。
自分の会いたいときに会えないからとか、
自分だけの翼じゃないから苦しいからとか……。
そんな理由をつけて、自分で翼から離れたくせに。
帽子をかぶった男の子は、今もまだうつむいたまま、ベンチに浅く腰をかけていた。
目の前まで走って、立ち止まった。
「翼っ!?」
思いきって、勢いよく帽子を剥いだ。
すると……
そこにいたのは。
「……え」
私を見上げ、挙動不審に目をパチクリしてる男の子。
違う……、違った。
こんなとこに、翼がいるわけない。
なのに、私は何を期待してたの?
「うっ……」
「……うわ、なんで泣いてんの!?」
「ごめんなさい……人、間違いしました」
慌てる男の子を残して、ホームにあるトイレへと駆け込んだ。
私……何やってるんだろう。
自分の会いたいときに会えないからとか、
自分だけの翼じゃないから苦しいからとか……。
そんな理由をつけて、自分で翼から離れたくせに。


