【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

もとから言いたいこと言えないし、こういう時に溜め込む性格だって、わかってたはずなのに。


オレ、全然気付いてやれなかった……。


ナナにばっか変わって欲しい、強くなって欲しいって思って……


自分は忙しいからって、オレは自分から何かしてやれてたかな。


……きっと、大して何もできてなかったはず。


「ナナ……とりあえず、あっちに座ろう」


いつもなら泣きそうになってるはずのナナは、


思い詰めた顔をしたまま、相変わらずオレの顔を見ない。


近くのベンチに座らせ、背中をなでる。


「なんか飲み物買ってこようか」


「ううん、ここにいて……」


ナナはオレの服の裾を、ギュッとつかんだ。