【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

家に戻って、南さんが迎えに来てくれるのを待った。


ホントはナナを駅まで送ってやりたかったけど、そんな時間もなくて。


いつものオレなら、ナナ優先。


南さんを少しぐらい待たせたって……って気持ちがあった。


けど、昨日の今日だし、南さんにもう迷惑はかけれない。


どれもこれも、全部手に入れたい。


やるからには……


アイドル業も、極めてみたい。


毎日必死に仕事するうちに、


だんだんそういう気持ちになっていった。


1ヶ月も過ぎた頃、


オレは相変わらずの忙しい毎日を送っていて、


学校は夏休みに入っていた。


ナナはバイトにも慣れてきたみたいで、


会える時間がほとんど作れなくて、約束もドタキャンばっかなのに、


メールや電話では、いつも楽しそうなナナ。


オレに心配かけないようにしてくれてんのかな。


前より……ナナも強くなった気がする。