【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

玄関前でナナが出てくるのを待つ。


時間になると……


ナナが出てきた。


「おはよ」


「……っ!」


オレの顔を見て、かなり驚いてる。


だよな、まさかいるとは思わなかったろーし。


「昨日、あのあと大丈夫だった?」


「う……うん。どうして、うちにきたの?」


「メールの返事なかったし。電話したけど、話し中で……」


「ごめん。昨日ね、バイト先のケータイ会社の人が歓迎会開いてくれて。

帰りは暗くて怖いから、お母さんと電話しながら帰ってたの」


「……そっか、バイト先の人と」


「翼は?制服着てないし、今日は学校には行けないんだよね」


「あぁ。また戻って、仕事に行く」


「……頑張ってね」


ニコッと笑ったナナの表情は、いつもと変わらないはずなのに……


なんだか、元気がないような気がしてならなかった。


気のせいならいーけど。