【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

え~いっ!!


「……って!」


近付いてきた増田くんの顔を、両手で押し返した。


「ひっ……ヒドイ。どうしてこんなコトするの!?」


増田くんは目をうっすら開けて、うっとおしそーな顔で私を見てくる。


「そっくりそのまま返してやるよ。オレに何か恨みでもあんの?」


「恨みもなにも……キスしようとしたから、よけただけで」


「イヤイヤイヤ。さっき、オレの制服から盗ったろ?」


「えっ? なにも盗ってナイよ!」


ウソ、疑われてる!?


「ウソつけ。なくなってんだよ……。ポケットに入れてたモンが」


「そっ……そんな。私、知らない」


ブルブル首を横に振って否定するけど、全く信じてくれてそうにない。


「あんとき、オレのズボン触ってたよな?」


「だから、それはっ! 席の中に置いてる物を取ろうとしてたからで」