「明日、ドラマの仕事が入ったから。これ、台本。ちゃんと読んでおいて」


……へっ、ドラマ!?


運転席から投げられた冊子を手に取る。


「聞いてねーし。なんでドラマなんか……」


「いい話よ。昨日突然ドタキャンした俳優がいたらしくて、代わりにどうかって」


ありえねーだろ、そんな代役!


「……ムリ」


「大丈夫よ。セリフほとんどないから。それに、顔広めるためにも、いい話なんだから黙って受けなさい」


……うちのおかんの手をやっと離れたと思えば、今は南さんに振り回される。


仕事取ってくんのはいーけど、オレの身にもなれっての。