晴弥さんは、冷めた表情のまま、書類をまたカバンの中に直した。


「卒業まで、まだ時間はある。やりたいこと、悔いが残らないように、今のうちにやっとけよ?」


悔い残りまくりだっつの。


あと半年ちょっと!?


全然足りねーよっ。


ふてくされてると、晴弥さんはオレの頭に軽く手を置く。


「悪いようにはしないから。オレがお前を、トップアーティストに導いてやる」


……なんだよ。


アイドルじゃねぇの?


アーティストって言われると、なんだか胸がうずく気がする。


そういや、アイドルって言っても……お飾りだけのヤツもいれば、


歌も踊りもうまくて、アーティストの座を確率してるヤツもいるよな。


できれば、そっち系に入りたい。