【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

確か香月の席って、一番前の教卓の前だったよな。


ちょうど空いてたから、その席にカバンを置く。


香月となんとか話したいけど、あの態度だと、完全に嫌われてるよな……。


「翼ぁ、何で地味子にかまうワケ?どー考えても、タイプじゃねぇだろ」


カズが着替えながら、不思議そうに聞いてくる。


「タイプとか関係ねーの。ちょっとアイツとは色々あってさ……」


「色々って……やらしーっ、翼ったら!」


「だから、茶化すなって。そんなんじゃないっつーの」


「じゃーなにさ」


「……カズがドツくからこんなことになってんだろ?女に手ぇだすなよなー」


「悪い。ついムカッとしてだな。振った女に、イヤがらせされたこと、何度もあんだろ?

学習しろよ、翼くん?」


「アイツは振ってねーよ」


「え、付き合う?」


「なんもねぇし、それ以前の問題……」