「はめてくれる?」 「いいんですか?」 「雪乃がはめてくれたら嬉しいんだけどな」 そう言って雪乃に小さく微笑むと、コクンと頷いた。 俺は緊張する気持ちを落ち着かせ、雪乃の左手の薬指に指輪をはめた。 シンプルな指輪だけど、雪乃のイメージにあった指輪を選んだつもりだ。 「…ありがとうございます」 ニコッと目に涙を浮かべる雪乃の頬に手を添え、再び緊張してバクバクな心臓を落ち着かせる。 「雪乃」 「はい」 「結婚しよう」 めちゃくちゃドキドキしながら俺の言葉に固まる雪乃を見つめる。