「え、ああ、ごめんね」




あたしの一生懸命な涙目に今頃気づいたかのように、そいつはあっさりとあたしの口元を覆っていた両手を解く。



むかついたあたしはあからさまに不機嫌な表情を突き付けた。




「苦しかった? ごめんね。 ほら、俺、規律委員長だからさぁ。…それとも解かないで欲しかったの?」


「……違います」




おだやかな雰囲気とは裏腹に、そいつの周りを漂う真っ黒いオーラ。

どうしよう、この人絶対お腹んなか真っ黒い。




てゆうか、この人誰だっけ?