「どうしようこんな時に悪魔の声が聞こえる。あたし、死ぬんだ今日で」 「悪魔って俺のこと? まあいいや、薮知さん、花火見ようよ」 不覚にもこの声を聞いてなんだか安心してしまう。 あたしが頭を上げると目の前に居たのは何故だか優しい顔した先輩で、無性に泣いてやりたくなった。 それから先輩があたしの許可なく手をつかんで連れ出そうとするもんだから、 …ちくしょう。抵抗できなかった。