「…薮知さんが入学してきたときから、俺もしょっちゅう遅刻しててさ。よく見かけたんだ。 …それであの朝、話しかけてみようかな、って思って。そしたら君が新鮮な反応を見せるから…」 「な、なんですか…」 「俺はやっぱり、好きな人の唇が目の前にあったら――噛み付いちゃうかな」 あたしから10cm顔を離した先輩は、最後に真剣な笑みを見せて、 それからまた、あたしの唇に噛み付いた。