キスしたくなる唇に。


先輩は最初からわかっていたのかもしれない。
そしてあたしも。




無意識でも、恋は成立するんだ。


あたしは西野に恋しながら、透かして先輩にも恋してたのかも。




「せ、先輩」


あたしがそう最後につぶやいたのと同時に、顔全体に熱がこもった。


先輩の鼻と睫毛が静かにあたしの頬をかすって、唇には湿ったやわらかい感触。



そしてその柔らかな感触が更に押し付けられ、新たな感触が口内へ。




吸い付くように舌が歯の周りをくすぐる。

「う…っんむ…っ」