キスしたくなる唇に。


流石におかしい先輩の様子に、あたしはひたすら呼びかけてみる。



「……静架先輩…?」



どうしようもなく困ったあたしは、おろしていた先輩の両手首を掴んで、下から顔を覗き込む。



「…え……あの、せんぱ…ぃ?」



あたしは思わず息を呑んだ。

だって先輩らしくない。


先輩の顔は真っ赤で、困ったような、わかんないような、そんな顔であたしから視線をはずす。



…てゆうか…ちょ、可愛い…ですけども。



気づいたらあたしも先輩の熱が移って、同様にあたしは顔を赤く染め上げた。