キスしたくなる唇に。


―――――…


なんだろうね、この感覚は。

冷たいのに、あったかい感じ。




どこかで覚えたその感触が、静かにあたしの輪郭をなぞって、くすぐった。



これは…先輩の指だ。細くて、きれいで、白くて。




次第にその指と思われる感触が、あたしの頬へ、唇へ。


よくもわからないのに、触れられた部分が段々と熱くなって意識が飛びそうになる。




頭が真っ白になる。