キスしたくなる唇に。


「…なんにも聞いてくれないんですか?」


「うん? 俺が? …別に俺が聞いて得する話じゃないじゃん」




先輩は少しタレ気味の目を細めていつもどおりに微笑んだ。


だけどあたしはそれが寂しく見え、なんとなく一人になりたいような、そんな寂しい気持ちになった。




…なんか、遠い気がする。



最近、自分の行動が読めなくなってきた。








あたしは一人孤独を味わいながら、教室ではなく、屋上の方へ足を進める。



早歩きで。