「…すみませんでした。教室戻ります。ご指摘ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました。では」




なんとなく危険を感じたあたし。

だから棒読みすぎるくらい棒読みで、しかも早口でそう言って、足を教室へ向ける。



てゆうかこの人先輩だよな…?






振り返り際、多分先輩だと思われる人の名札が目に入った。


そこにはご丁寧に『晃 静架(ヒカリ シズカ)』というなんとも覚えやすい名前が書かれており、
なんとなくいろんな意味で忘れられそうになさそうだ。




そしてとりあえずその場を一刻も早く離れたかったあたしは、早歩きでさっさと教室方面へ。



あんま関わらないほうがいい。

頭の隅で小さく警報が鳴った。