この先生初めて見た。

ガッシリした体格の先生。

「先生、怖いから」

楓がヒソッと耳打ちする。

「ジャージ、やばいかな」

「大丈夫。みっきー、言い訳得意そうだし。」

「が…がんばる」

「バレーだからね」

バレーなんかやった事ないな。

「ほら、並べ。」

並んで、ラジオ体操をして説明を聞いた。

ペアを組んでトスとかの練習をするように言われた。

「みっきー、一瞬やろ」

「私…やったことないよ?」

「いいよ、やろ」

フワッとボールを投げて来る。

「わっ…」

「佐伯、お前やったことないな?」

先生がフラっと来た。

「え…はい」

「教えてやるから、前田はそこと組んでやれ」

最悪だ。

離れた所で、練習すると言われた。

「お前、このジャージ前田のだろーが」

「すみません…」

「脱いで返して来い」

仕方なく、ジャージを脱いだ。

「この腕のアザ」

スッと手を取ってアザを見る。

手を引っ込めようとしても、引っ張られる。

アザを確認してるんだ。

ゾクゾクと震えがしてきた。