がたんごとんと電車が揺れる。
次の停車駅のアナウンスを
春樹は神妙な顔で聞いている。

「俺、もうお前のこと好きでいるの疲れた」

電車のドアが音を立てて開いた。

春樹が何を言ったのか、
しばらく理解できなかった。
優にいちゃんも
驚いた顔をして春樹を見ている。

ふらり、と
春樹は電車を降りた。
私たちの降りる駅までまだ三つもあった。

優にいちゃんは
私と春樹を見比べて二秒くらい迷った後で

「千里ちゃん、先に学校に行ってて」

と言って、走って春樹を追いかけた。

ドアが閉まり、電車が動き出した。

ああ、これって
振られたのかなあ。
春樹は私のことが好きだったのか。
でも、もう疲れたって。
なんだかよく分からないけど。

よく分からないけど。

涙が出てきて止まらなかった。