冬のとても寒い日。 黒猫は寒さで動け なくなっていた。 死を悟っていた。 冷たくなった体は 感覚を無くし 目をつぶろうとした その瞬間 温かい何が黒猫を包んだ。 「こんなところで くたばってんじゃねぇよ」 もう感覚のない体に 触れる感触だけが伝わる。 それでも温かいのは 感じる。 黒猫は最後の力を 振り絞って甘えた声で 喉を鳴らした。 これがぬくもりなんだ。 -end-