巧も下界の絵を描くために このブルーホールを使って 下界に行く。 だから巧は直接、 父親であるサユリさんと 接触している。 サユリさんは微笑みながら 首を横に振る。 「久しぶりに会った 父親がオカマになってた なんてショックでしょ」 「確かに」 私はクスッと笑う。 「幸子ちゃんは 優しいわね」 「少しは丸くなったから」 「ううん。 初めて会ったときから 優しい人だった」 昔のことなど 覚えていない。 「行ってきます」 私はブルーホールへと 飛び込んだ。