「お父さん
 立ってください」

「アイさん・・・」

その場に立ち上がる、庵。

「アイさん、貴女には
 辛い思いをさせて
 本当にすまない」

藍は、真赤な瞳に腫れた瞼で
精一杯明るく、庵に微笑んで
みせた。

「私

 カイリを信じています
 
 カイリは、必ず私の元に
 戻って来てくれる
 
 遠い昔、彼は真夏の暑い中
 何時間も来ないかもしれない
 私の事を待っていてくれた

 今度は、私が彼を待つ番です

 私、もう泣きません」

そう話す、藍はとても綺麗で
全身からキラキラと光が
放たれる。

その姿を見つめるのは、茉優

藍・・・

貴女には、完敗だわ。