「じゃぁ行こー。」 もうダメだ。 前まで来てしまった。 「美夜。」 「え?」 後ろで呼ばれて振り向く。 そこにはスポーツ系さわやかboyの工藤翔(くどうしょう)が立っていた。 そして。 「きゃっ」 ぐっと手をひいて私は翔くんの胸の中へ入った。 その瞬間。 ブザーが鳴り、『行ってらっしゃーい』というアナウンスが流れた。 「美夜っっ!!」 背中越しに祐也の声が聞こえた気がした。