―――大学生の頃、私は涼平さんが好きだった。
勇気を振り絞って告白して、付き合えることになったときは嬉しくてたまらなかった。


なのに、涼平さんはいかにも処女らしい私の身体に興味があっただけだと、涼平さんの友人が教えてくれた。
だから付き合って数日で私から別れたいと伝えた。


………涼平さんはなにも聞かず、笑って「バイバイ」て言うだけだった。






「…教えてくれた人かいたんです」


そう言うと、涼平さんはつまらなそうにため息を漏らす。


しかし手の力は緩む様子もなく、私を見据える視線は冷たかった。