涼平さんはテーブルに身を乗り出して私の手を握る。
その瞬間、私は反射的に手を引っ込めようとしたが、一瞬反応が遅れて捕まってしまった。
「駄目だよ逃げちゃ。…仮にも元カレだよ?そんなに邪険にしなくてもいいじゃない」
その言葉に、私は思わず反応してしまう。
「…身体が目的でもですか?」
そう冷たく言うと、涼平さんの眉がピクンと動く。
そして、握る手の力をいっそう強める。
「そっか。知ってたわけ?」
私は答えなかった。
いや、これ以上この話題を話したくなかった。
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