視線を逸らしたまま課長は言った。 「大丈夫だ。…少し寝不足で」 そう言う課長の横顔は少し熱を帯びている。 「で、でも…熱でもあるんじゃ」 「いいから。せっかくここは静かなんだから黙ってろよ」 そう言って課長は目をつぶる。 するとそのまま静かに寝息を立て始めた。 「…私、先に戻るね?ごゆっくり」 静香は気を利かせたようで、そう言うとこっそりブースを後にした。