「―――今夜、暇か?」


しばらくどちらも口を開こうとはしなかったが、しびれを切らしたのか高野課長からそう切り出してきた。


私は視線を上げ、課長の顔を見上げた。
すると課長は照れくさそうに目線を泳がせる。



「………?暇ですけど」


「ん。なら飯でも食いに行くか」


その言葉に私はうろたえ、首を横に振る。



「えぇぇ!?な、なんのつもりですか!?」


そう返すと、課長は私の頭を軽く小突く。



「うるせぇな。…迷惑かけたしな。詫びだ、詫び!」