その声の冷たさに、先輩も私も思わず身体をこわばらせた。


しかし先輩はなおも課長に手を伸ばす。



「やだぁ、高野さん…私、この子が先輩に対する礼儀がなってないから教えてあげてたの。まったく、最近の子はダメねぇ」


そう言って高野課長の腕を取ろうとした瞬間、課長はその手を振り払った。



「―――おまえの魂胆はわかってるよ。…うるさすぎるから一回抱いてやっただけで彼女面。俺は誰にも本気にならないって言っただろう?勘違いもいい加減にしろ」


そう言い放つ声には怒りが混じっているようだった。