…やっぱり? 私はその言葉を聞いた瞬間、足がまったく動かなくなった。 「―――!」 静香はその瞬間、私をもと来た道に引っ込ませる。 「―――今、誰かいたか?」 陰に隠れた私たちに、そう言った昴さんの声が聞こえた。 昴さんはこちらを振り返り、訝しげな表情をしている。 少しこちらをにらんでいたが、すぐにまた井川さんとどこかへ行ってしまった。 「…静香ぁ」 私は小さな声でそう呟きながら、大粒の涙を流していた。