黒のジャケットに空色のカットソー、細身のジーンズ姿の昴さんは、スーツ姿の何倍もかっこよく見える。


私は赤面しながら昴さんを見つめていた。


こんな人にさっきまで抱きしめられたりそれ以上も………


―――あああ!
これ以上考えたらなんかとろけてなくなっちゃいそう…。



「…?気が済んだら出かけるぞ。ウチに泊まるんだから着替えとか買いに行かなきゃな」


そう言うと昴さんは私の手を取って立たせてくれた。



「立たせてやったお礼に」


そう言って唇に軽くキスをすると、私を連れて玄関に向かったのだった。