そのまま私は玄関の中に引っ張られ、視界を奪われた。 「―――無事でよかった…」 気づくと私は高野課長の腕の中にいる。 そう囁く課長の腕は力強く、私たちはぴったりと密着していた。 「か、課長………?」 私が戸惑いながらそう尋ねると、課長のほっとしたような吐息がちょうど私の耳元あたりに触る。 そして次の瞬間、信じられない言葉が続いた。 「詩穂、好きだ………」