学校に向かう途中、菜月ちゃんに会った。 「あ、おはよう」 にこりという笑顔に、 昨日までならただ見惚れていただろう。 「おはよう。ねえ、菜月ちゃん」 「なあに?何かあったの?」 顔色が悪いわよ?と、彼女は言う。 そりゃそうだ。 寝不足だし、色々と最悪だ。 「僕の両親さ、他に家があって、 あの家には毎日通ってきてる みたいなんだけど それって普通なのかな?」 「普通……では、ないわね。 少なくとも、大半の家では違うはずよ」 よかった。