「こっちの私の場所はね、 子供が居ないの。だからかなって」 「子供が居ないって……変でしょう」 僕や菜月ちゃん、亮太郎はまだ子供だ。 「世界じゃなくて、街単位での話よ」 「それにしたって……」 「思い出してみて、要君」 留衣さんは僕をまっすぐ見据えて言った。 「この街に住んでる大人って、居る?」 「……え?」 だって、この家に、 僕と両親は住んでいる。