男子寮のとある部屋。

この部屋の住人である古瀬柚太と渡会郁人はそれぞれのベッドにうつぶせになったまま、

まるで屍のように動かなくなっている。



さかのぼる事2時間ほど前。自由登校なっていた3年生である彼ら2人は、

彼らの幼馴染である真山佐和に“特別科生徒会に来るように”と呼び出された。

時間は大体2時間目が始まった頃。1、2年生は授業中だから生徒会室に来る者は誰もいない。

たった1人、制服姿で待ち構えていた佐和は入ってきた2人を見るなり満面の笑みを浮かべた。

その笑顔に郁人は思わず頬を赤らめるが、佐和本人はそれを知らない。