朝。


2月14日。天気は晴れ。

湯浅蛍人は寮から学校までの数百メートルの間で、訳も分らぬままチョコを20個程受け取った。

(内3つは食べて消化した為、実際手にしていたのは17個)

カバンがずっしりしている感覚を覚えながらも、蛍人は自身の下駄箱を開けた。

するとそこにはチョコが1個。ちょこんと上履きに乗せられていた。

可愛らしい赤いチェックの包装紙に金色のリボンがされている。それには白い封筒も添えられていた。

ふと蛍人は何も気にせずチョコを手紙を手に取り、パラリと封を開け手紙を読んだ。

そこに書かれていたのはたった1行。その文面に彼の表情はみるみるうち内に凍りつく。