信じられない秋の言葉に、怒りを通り越し、訳が分からなくなっていた。
友達のサキと関係を持ち…
平気でそれは利用するためだと言う…
しかも、自分を呼び出すためだと…
「でも…そのお陰で遥と2人きりになれた…
遥はずっと僕を無視していたね。」
秋は遥の方へ足を動かした。
「僕…すごく悲しかったんだよ…」
距離がだんだん縮まる。
「……でも、それよりも、」
「や…来ないで…」
無理やり声を振り絞る。
「やだ…」
「……」
秋は構わず遥に近寄る。
「や…」
「それよりもね…」
「やだっ!!」
遥は秋を押しのけ、ドアへと走った。
ガチャッ!!
「開かないっ」
ガチャガチャッ
ドアを無理やりこじ開けようとする。
「やだっやだっ…」
鍵の存在に気がつき、鍵を開けようと手を伸ばした
瞬間、
「ダメじゃないか…」
心臓が跳ね上がった。
氷山 秋が遥のすぐ後ろに立っていた。
