遥は無我夢中で走り出した。
近くにあった階段を勢い良く駆け上がる。
「待ちやがれぇっ!!」
後ろからは
すごい形相で追いかけて来る達郎の姿があった。
…ここで捕まったら一貫の終わりだ…
自分がどうやって逃げてきたのかは分からない。
ただ、気がつくとそこは、
屋上だった。
「はぁ…はぁ…はぁ…っ屋上…?」
タタタタタタ…
後ろからは駆け登ってくる達郎の足音が近づいてくる。
「どうしよう…」
遥はドアから離れ、
屋上の端で動けなくなってしまった。
「遥ぁ!!」
達郎は追いつき、
遥を追い詰めた。
「バカだな遥…もう逃げられないぞっ」
「っ!!」
後ろを振り返り、
下を見ると、
そこは、3階分の高さがある、地面だけあった。
