私は声をあげた。


メガネ男は私を見て一回、大きなため息をついた


そうですね。もう教えときます。僕達のモクテキを。


そう言うとメガネ男は、さっき流したFAXの紙を私に差し出した。



え…これが、あなた達の要求?



そうです。



そこにはパソコンで書かれた文字が並んでいた。



母子を誘拐し監禁している。子供は、まだ生後10ヵ月。先程、子の父親に電話をし警察に電話しろと言ってある。
我々の目的はただ一つ。

赤ちゃんポストの運用禁止

金などはいらない。アレを無くしてくれれば、ただちに人質を解放する。

しかし要求がきけない場合は、この親子の命の保障はない


我々は銃とナイフを、いくつか所持している。



赤ちゃんポストって…


私は口をひらいた。


知らない?


長い髪の女は私にむかってそう聞く。


知ってるよ。昨年から運用されてるやつだよね。赤ちゃんを育てられない人が、やむおえず預けるとこ…


違うよ。テレビでは預けるっていう言葉を使っているけどアレは預けるじゃない。
捨ててるのよ。


彼女は、さっき亮に見せていた顔とは全く別の顔を見せた