カーテンの隙間から少し朝日が差し込んだ。
それと同時だった。パトカーのサイレンが聞こえた。

この場所がわかったのか。やっと助けが来たと私は思った。


ヒロト達は、その音に動じる事もなくテレビのニュースを見ていた。


やったな。
5人は笑みを浮かべている。


ニュースでは抗議の電話とFAXが鳴りやみません!とアナウンサーが早口で言っていた。

FAXの内容は、早く人質を解放してあげてほしい。
10ヵ月の赤ちゃんを早く安全な場所へ!
など、さまざまだった。


そして一番多かったのは、赤ちゃんポストを使用禁止に!!一刻も早い処置を!と、病院、市、国に全国から多数の苦情や抗議が相次いでいるという。

そして、そのほとんどが子をもつ親から、らしい。


私の目からは涙がこぼれた。こんなにもたくさんの人が、亮のために、私の為に…


子供を思う親の心ってすごいんだね。
とナオが言った。


私は彼女の目を見て頷いた。


外はすごく騒ついていて警察が、こちらに呼び掛けている声が響いていた。

手を挙げて出てこいと…
人質の無事を確認したいと…
そんな声にも5人は平然とした顔でテレビを見る。