幸せな悩みか…
ホントそうかもしれませんね。生きていれば悩めますもんね…

ヒロトはそう言うと、少しだけ笑った。


もうすぐ朝です。
今日中に、全てを終わらせますから。必ず。夜が明ければ、きっと僕が思っていたはずの行動を国民が、してくれてるはずです。そしたら終わりますから。


ヒロトは、そう言ってまたパソコンに目をやった。



国民の行動…私はわからなかった。
亮は私の横で、寝息をたてて寝ている。
きっと蓮は寝ずに心配している。警察だって…たった私達二人の親子の為に不眠で働いてくれている人達がたくさんいるわけで…

そんな事を考えると早くこの場からの脱出を考えないといけないと思うのだが、なんとなく、この子達の思いをやり遂げさせたい気もする。
変な親心だろうか。


ふと思う。子は親の背中を見て育つという言葉がある。
この子達は、それを聞く度に、どう思っていたのだろう。
親の背中はみた事がありません。わかりません。
一見、ひねくれてるようにも聞こえるが、それが現実の場合もある。
なんだかやるせない。
カワイソウというと同情にとられるだろう。でも、母のぬくもりを教えてやりたい。