---俺が小学三年生の頃。

「大和、帰るぞ?」

「あ、待ってよ兄ちゃん!!」


一個上の兄、東について遊びに行った帰り道。

兄ちゃんは僕を待たずにどんどん先を歩いていって、見えなくなってしまった。


辺りは暗くなってきて、帰り道すらわからない。

僕はどうなるのかなと、目の前が涙で歪んできた。


そんなとき、突然、

「泣いてるの?」


と後ろから声をかけられた。